TAC創業者の斎藤先生 限界に向き合い、格闘し、限界を超える人④

先日、逝去されたTAC創業者の斎藤学院長の著作「ビジネスの論理」再読。

今回は、その第4弾です。

 

斎藤先生の訃報を聞いて「ビジネスの論理」を再読しています。

先生の公認会計士の受験生時代から講師時代、そしてTACの経営者となって、会計士市場、税理士市場を攻略した時代について、見てきました。

 

TAC創業者の斎藤先生 限界に向き合い、格闘し、限界を超える人①

TAC創業者の斎藤先生 限界に向き合い、格闘し、限界を超える人②

TAC創業者の斎藤先生 限界に向き合い、格闘し、限界を超える人③

 

今回は、その続きから、お話させていただこうと思います。

 

次なる一手は、専修学校

 

公認会計士市場を攻略した後に、税理士市場において苦戦しつつも、順調に受講生の数を伸ばし続けたTAC。

1980年度に1億円だった売上は、4年後の84年度には8億円となり、4年間で8倍という急成長を遂げることになります。

ここで斎藤先生は、次の一手として、専修学校の認可を受けて、学校法人になることを目指します。

高校を卒業した人たちを教育する専修学校には、肥沃なマーケットとしての魅力があったそうです。

 

しかし、ここで思わぬ横やりが入ります。

専修学校に新規参入するには、同じ区内にある既存団体の了解が必要であるという規制がありました。

 

TACが学校法人ではない理由

 

当然、既存団体は、自分たちの受講生が奪われることを恐れ、TACの参入を認めようとはしません。

結局、既存団体はTACの参入を徹底的に阻止し、先生の描いた専修学校の夢は葬られてしまいました。

 

私は規制という名の新規参入制限に歯ぎしりした。悔しかった。
目の前で描いていた夢が瓦解した。
私は「規制」のある世界でビジネスすることに嫌悪感を抱き市場から撤退することを決めた。(中略)
後にバブルが崩壊した時、様々な人から「学校法人を買いませんか」と誘いを受けた。「学校法人になると税金が安くなり補助金がもらえます」と説明された。
私は二つの理由を挙げてこの話を断った。
「税金を払うのは大事なことです。学校法人だからと言って税金が安くなるのはおかしいです。TACは自立した存在として自分の足で立つことに誇りを持っています。補助金をもらうと、出してくれた役所に飼い慣らされてしまいます。自分の運命の主導権はいつも自分が握るべきです。それが人生の基本です。補助金はいりません」
学校法人になることを断った根っこには、この時、規制の前に撤退を余儀なくされた苦い経験があった。
『ビジネスの論理』斎藤博明(TAC出版)pp.239-240

 

映画のワンシーンになりそうな感動的な場面ですね。

斎藤先生のキーフレーズである「自分の運命の主導権は自分で握る」がここにも現れました。

(TACが学校法人でない理由は、こういったことも背景にはあったようですね。)

 

ピンチをチャンスに変える

 

専修学校の認可を得ることができずに、一歩踏み込んでいた市場から撤退を余儀なくされたTAC。

会計士・税理士市場で二戦二勝して、勢いにのっていたTACの成長神話が、崩壊するピンチにさらされました。

しかし、ここでも斎藤先生は、次の成長シナリオを描きます。

 

当時、資格は分野毎に分かれていた。
会計以外の資格は別の世界にありそれぞれの老舗が牛耳っていた。
私は垣根を壊して全ての分野の資格をTACで制覇しようと野心を抱いた。
84年、33歳になった私は、全社員を小さな教室に集めると、これからTACが取り組む壮大な戦略を語った。
シーザーがルビコン河を渡ったように、私は戻れない決断をした。
あとはひたすら駆け抜けて戦うだけであった。
『ビジネスの論理』斎藤博明(TAC出版)pp.250

 

ここからのTACは、毎年のように怒涛の勢いで、新たな分野での新規の講座を開講していきます。

 

85年 情報処理技術者試験
86年 宅地建物取引主任者試験
87年 行政書士試験
88年 英文会計試験
89年 中小企業診断士試験
89年 米国公認会計士試験
90年 証券アナリスト試験
91年 不動産鑑定士試験
92年 ファイナンシャル・プランナー試験
94年 公務員試験

 

各分野の老舗は、一度出来上がったコンテンツ(教材)を何年間も使うことで利益を上げていたのに対し、TACは毎年、莫大な手間とコストをかけて教材を作り変えることにこだわったそうです。

そして、会計士と税理士の市場で戦ってきたTACは、そのノウハウを新市場でも導入し、次々に新しい分野での頂点を極めていくことになります。

 

規制の壁に阻まれて、撤退した専修学校でしたが、その後にTACは、規制のない自由な市場で、戦いに勝ち続けていきます。

まさにピンチから生まれたチャンス

私達の日常においても、一見ピンチに見える状況が、実はチャンスではないか、という発想を大事にしたいですね。

私も税理士登録ができずに、日々もどかしい状況ではありますが、この状況を楽しみつつ、新しい展開に備えているつもりです。

 

本日もご覧いただき、ありがとうございました!

Have a wonderful weekend !!

 

 

 

【昨日のできごと】

2:20起床。
少し早いですが、スッキリ目覚めたので、そのまま起きました。
FP2級は、公的年金について。私が老齢基礎年金をもらえるまで、あと20年。私が大学生の頃には、年金は私達が老人になるころには破綻していてもらえない、という話しが流行していたけど、今は、そんな話しはあまり聞かなくなりましたね。
漢字検定は、2級の問題集が届いたので、早速スタート。実は、試験も10日後に控えているので、急ピッチでお勉強です。読みは、95%以上できますが、部首の問題は、さっぱり分からず、焦っています。

さらに、積読中の図書館の本を一気に4冊パラパラ読み。1冊10分程度ですが、じっくり読んだときと、残るものはそんなに変わらないような気もします。

その後、子どもたちを送り届け、雨が降りそうなので、先に11キロジョグ。
珍しく、先を走っている人がいて、抜かしてしまうそうだったので、急遽、コース変更を。たまに、抜かすと抜き返してくる人がいて、こっちもさらに抜かされないようにペースアップしたりして消耗するので、なるべく抜かさないようにしています。

その後は、ブログ執筆と漢字練習、子供のお迎え、といった一日でした。

 

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