大学院試験において、最も悩ましい「研究計画書」について、お話しいたします。
研究計画書とは?
大学院入試では、多くの大学院で、事前に研究計画書の提出が課されています。
この研究計画書に沿って、面接(口頭試問)もなされますので、その重要性は非常に高いもの、と考えてよいと思います。
とはいえ「研究計画書って、そもそも何?」という方もいると思います。私自身、大学院入試を考えた段階で、初めて知りました。
そもそものそもそもで、「研究って何?どうやってやるの?」という方もひょっとしたらいるかもしれまんせんが、そんな方でも、実は大丈夫です。
大学院に入学してみて分かりましたが、大学院に入る方でも、大学で卒業論文を書いたことがないという方も、結構います。そして、そういった方でも、教授の指導についていけば(結構、大変ですが)、修士論文を書き上げることができます。
ご説明が遅れましたが、大学院生にとっての最大のミッションは、修士論文を書き上げることです。講義を受けたり、ゼミに参加して議論をしたり、といった通常の授業を受けて最低取得単位数をそろえることも大事ですが、究極的な目標はあくまで、修士論文の完成になります。
どんな内容を書けば良いか?
少し話しがそれましたので、本論にもどります。
研究計画書とは、大学院で2年間、研究を行うためのレジュメのようなものと考えていただくと良いと思います。
(タテマエ上、2年間と言いましたが、実際のところ、2年間びっしりと研究するという優秀な大学院生は、そうはいないと思います。一般的には、大学院の1年生は、単位を取ることに専念し、大学院の2年になって、修士論文の執筆をスタートするというスタイルになるようです。)
要は、こういうテーマを選んで、こういう方法(内容)で研究する予定です。という論文作成のための計画を書く、ということになります。
実は、この研究計画書、入学前に課題として課されますが、私が通っていた大学院では、入学後も半年に一回づつ提出していました。
つまり、大学院で必修単位の勉強しつつ、研究計画(研究の進捗状況)は常に報告していく、ということです。
もっと大変なのが、テーマ選び
研究計画書を作成する上で、もっとも大変なのが、テーマ選びです。
私の場合、このテーマが全く思いつかず、苦労しました。
私が、大学院入試を志していた当時は、業種特化型の大型事務所に所属していたため、実務的に税法上、難しい問題を扱うことがほとんどなく、あったとしても他部門の社員や、国税庁OBの税理士に丸投げしてしまって、余り一つの問題について、深く調べるという経験がなかったためです。
ですので、私の場合は、大学院に通う前から、税理士試験の消費税法を勉強していたので、消費税法からテーマを選びました。
しかし、これは、入学後に知ることになるのですが、修士論文のテーマは税法としては、法人税法・所得税法が一般的で、消費税法や相続税法は余り取り上げる人はいない、ということです。
これは、実際に大学院に入学して、勉強してみると分かることですが、研究には、裁判例を扱うことが必須であり、裁判例の中でも最高裁判所まで争うような有名な判例というのは、法人税法か所得税法が多い、ということによると思います。
そして、論文が書きやすいテーマというのは、先行論文(学者先生が先に研究している論文。これがない最新のテーマなどは、論文作成の難易度が上がります)が多いテーマであり、先行論文が多いテーマは、判例が多いテーマということになりますので、判例からテーマを探していくのが、一つの方法になると思います。
その際は、有名な本なのですが、「別冊Jurist 租税判例百選(第6版)」(有斐閣)が、一番参考になると思います。
この本は、大学院に入った後にも、ゼミで発表(後日、お話しします)をしたり、模擬裁判(こちらも後日、まとめます)で議論をしたりするときにも使えますので、入学前から買っておいても損はないと思います。
この本には、100以上の判例が取り上げられていて、頭から読んでいくと100%挫折すると思いますので、あくまでも、タイトルを見て面白そうなものだけをサラッと読めば大丈夫です。
少し長くなってきたので、研究計画書については、次回も続きからお話しさせていただきたいと思います。
【編集後記】
昨日は、妻も休みだったため、公園で家族全員で遊びました。
ドッチビーというやわらかいフリスビーのようなもので、妻とキャッチボールをしました。
まだまだ投げ方が良く分からず、うまく飛ばないのですが、まっすぐに投げられたときは、かなり快感です。