税法免除大学院の試験とは、どのようなものか?
ご紹介いたします。
税法免除大学院の試験とは?
税法免除大学院の試験には、一般入試と社会人入試に分かれます。
一般入試は、大学卒業見込みの方から社会人の方までを対象とした試験です。
社会人入試とは、大学卒業後に企業に就職するなどの社会人経験をもった人を対象に行われる試験です。
一般入試には、外国語や専門科目の筆記試験などがあり、社会人の方が働きながら対策をするには、厳しいものが多いと思います。
ですので、税法免除のみが進学の目的だよという方、働きながら少ない労力で大学院入試を切り抜けたいという方は、社会人入試を選んでいただくのが無難です。
私も社会人入試で受験していますし、このブログをご覧になる方の多くも、会計事務所や一般企業の経理部門などで、実務経験を積んでいて、税理士試験にもある程度、挑戦されている方が多いと思いますので、以降は、社会人入試の話しに絞ってお話しさせていただきます。
事前に準備すべきこと
社会人入試では、多くの大学院で、小論文と面接(口頭試問)、そして研究計画書の提出、という3つの課題が課されているのが、一般的です。
研究計画書は、願書を入手した時点から着手することができ(もっと言えば、入手する前から着手できますね)、試験当日に作成するものではなく、事前に準備することができるため、対策が必要です。(今後のブログで、お話しいたします)
小論文については、試験当日に受験会場で、テーマを与えられて、その場で文章を書かなければならないため、事前の準備が非常に難しいものです。
私が受験した学校では、事前に過去問が渡されていたため、試しに一度くらいは書いてみることをおススメいたします。
小論文出題例
実際の小論文の出題例(試験時間は1時間)をここに掲載します。
税法免除大学院は、学部としては、法学部になるため、基本的には法律に関する出題がメインになると思われます。
① 次の文章を読んで、危険運転致死死傷罪はどのようなものであるかを述べ、それについて自身の考えを述べなさい。
② 次の文章を読んで、法と道徳の違いはどのようなものであるかを述べ、それについて自分の考えを1000字程度で述べなさい。
③ 次の文章を読んで、民主主義を守るためには、何が必要か、自分の考えを述べよ。
次の文章として、A4判の紙にびっしりの40桁×40行程度(1400~1600字程度)の文章が与えられますので、これを読むだけでも10~15分程度はかかってしまいます。
この与えられた文章を読み下したうえで、残りの45~50分程度で小論文をしたためることになるので、時間的にはかなりハードです。
この時間内に、A4の白紙(罫線もはいっていません)がいっぱいになるくらい書いてください、という話しが試験官からはありましたので、ちょっとパニックになりました。
とはいえ、私は学生時代から読書をすることが好きで、文章を書くことも好きだったため、それなりの内容を書くことができました。
もし、文章を書くことが苦手だよという方であれば、ご注意をいただいた方が良いと思います。
小論文の攻略法
攻略法と言えるほどのものではないのですが、私が良くやるテクニック(入学後の修士論文の執筆時にも使えます)を一つご紹介いたします。
まず、与えられた文章の読み進める中で、「ここがポイントだな!」という部分(いわゆる、論文の「骨子」と言われる部分です)を見つけたら、線を引いていきます。
その線を引いた部分をうまく引用したり要約したりしながら、自分の考えを展開して行きます。
自分の考えを展開するにあたっては、与えられた文章が、Aという主張であれば、「Aという考え方がある一方で、Bという考え方もある」として、敢えて反対の考え方を取り上げた上で、「Bには、〇〇という点で優れているものの、〇〇という問題がある」という具合にBを検討したうえで、「やはり私も〇〇教授と同じくAという主張が〇〇という理由で、正しいと考える」という風にまとめていくと、論旨に広がりが出て、字数も伸びてくると思います。
この方法では、論文の「骨子」(「こっし」と読みます。軸となるホネのことです)を見つけることが、重要になりますので、普段から、まとまった文章を読むときは、その文章の「骨子」を探す訓練をすることをおススメします。
(大学院に入学して、修士論文を作成する段になったときに、この訓練が大いに役立ちます)
噂のレベルの話しですが、過去には、与えられた問題文の文章を写しただけの答案を提出して不合格になった(当然と言えば、当然ですが)受験生がいたという話しを聞いたことがありますので、丸写しだけは回避した方が良いと思います。
小論文では、与えられた時間が短い上に、問題文の抽象度が高く、扱われるテーマの間口も広いため、受験生は雲をつかむような歯がゆい感覚で、文章を仕上げざるを得ないと思います。そして、結局のところ、受験生間の差がつきにくいのでは、と考えています。
入学後に仲間たちと受験当時のことを語ったたりもしますが、皆、大した小論文を書けていないようです。
ですので、国立大学や名門私立のような人気校を受験する方は、別として(そのような方は、しっかりと予備校に通い、対策をされた方が良いと思います)、税法免除だけが目的で大学院に進学する方、税理士試験や実務と並行して税法免除大学院の試験準備をされている方は、特別な対策はいらないと考えております。
試験官は、大学院入学後に受験生が修士論文を書くことができるだけの作文能力・論理的思考ができるかどうかを見ていますので、それほど心配する必要はないと思います。
勘違いする方もいないと思いますが、念のため。
大学院入試は税理士試験とは違うので、青のボールペンで筆記体のような走り書きで書くのは、やめた方が良いと思います。。
字は、税理士試験よりは丁寧に書きましょう。
次回は、研究計画書について、私の作成例を交えて、お話ししていたきたいと思います。
【編集後記】
昨日は、一日、専業主夫でした。
皿洗い、洗濯、昼ご飯作り、買い物、そして子供3人を公園に連れていき、勉強を見てあげて、、なかなか忙しいですね。
家事もうまくなるように、色々工夫してみたいと思います。