税法免除大学院での研究に必須の文献集め。
今回は、国会図書館オンラインの利用法について、ご説明いたします。
前回の投稿では、文献集めの場所として、国会図書館についてご紹介させていただきました。
今回は、その続きとして、国会図書館オンラインの利用方法についてお話しさせていただこうと思います。
国会図書館オンラインの利用法
国会図書館オンラインは、非常に親切に設計されていて、使いやすいです。
慣れてしまえば、論文執筆中に気になったキーワードを検索して、ものの数分で目的の論文に到達することも可能です。
オンラインで論文を検索し、郵送依頼をかけてから、私の場合は、5日~10日で手元に論文のコピーが届いていました。
では、その手続きについて、順序を追ってご説明いたします。
① まず初めに、国会図書館オンラインのホームページを検索して開きます。開いたら、ログインします。(ログインの仕方は、割愛させていただきます)
② ホームページを開いたら、キーワードで検索をかけられますので、自分の調べたいもの(修士論文執筆中であれば、修士論文のテーマ)を入力して、検索します。
私の論文の場合では、消費税の事業者免税点制度がテーマだったため、「事業者免税点制度」と入力し、虫眼鏡マークで検索します。
③ 検索の結果、46件ヒットしました。結構ありますね。
④ 検索結果の中で、興味をもったもの(後ほど、どれを選ぶべきかはご説明いたします)をクリックします。
⑤ 画面右下の「遠隔複写」ボタンをクリックします。
⑥ 複写箇所の入力画面になります。
今回は、該当箇所の他に表紙と奥付にチェックを入れました。
また、備考欄には「B4サイズ以上は二つ折り希望」と入力しました。
その後、「申し込みカートに追加」をクリックします。
⑦ 「申込手続に進む」をクリックします。
⑧ 使用目的のチェックボックスをチェックします。
⑨ 「注意事項に同意して申込内容の確認へ」をクリックします。
⑩ 「この内容で申し込む」をクリックすれば、申し込み完了です。
後は、郵便で論文が届くのを待つだけです。
論文と一緒に請求書が入っていますので、コンビニ等で料金を払います。
ちなみにコピー料金は、A4・B4で1枚 25.3円、A3で44円です。
その他に、発送事務手数料が220円、送料実費がかかります。
発送事務手数料や送料は、1回につきかかるので、1回の申し込みで、何本かまとめて取り寄せる(最大で30本まで一回の依頼でまとめられます)と、割安になります。
コスト的には、一見すると割高に感じますが、時間がない社会人学生の方が、少ない時間を割いて(半休取ったり、時間休取ったり)、交通費かけて図書館に行って自分でコピーを取る手間を考えると、実は、非常に安いと思います。
国会図書館オンラインの注意点
便利な国会図書館オンライン、利用上の注意点をまとめます。
・奥付のコピーは必ず依頼しよう
これは、論文集めをする際の常識なのですが、論文をコピーする場合は、論文の本文のコピーをとると同時に奥付のコピーもとります。
奥付とは、書籍や税務専門誌の最後にページで、ここにその論文の発行日・雑誌名・出版社名等の情報が載っていて、これらの情報を論文に掲載する必要があるため、この情報が大変、重要な意味を持ちます。
この奥付のコピーを忘れると、修士論文作成の終盤戦で、あわてることになります(調べなければならなくなります)ので、必ずコピーを取らなくてはいけません。
また、税務専門誌によっては、奥付では情報が分かりずらいこともあるため、私は念のため、表紙もコピーを依頼していました。
コピーされた表紙から、同じ雑誌にもっと面白そうな論文があることが判明することもあります。そういった偶然から、論文が集まってくると、研究も面白くなってきます。(コストはかさみますが、場合によっては、目次までコピーを取った方が良いケースもありますね)
・「B4サイズ以上は二つ折り希望」しよう
これは好みの問題もありますが、B4サイズでも、国会図書館では折らずに大きな封筒で送ってくださるので、その分、郵送代が高くなってしまいます。
そのため、「B4サイズ以上は二つ折り希望」と備考欄に入れることで、二つ折サイズの封筒で送ってもらえます。
ちなみに残念ながら、国家図書館のコピーサービスでは拡大・縮小まで対応してもらえないため、B4サイズをA3に拡大してもらうことはできません。
ファイリングがちょっと困りますよね。
どの文献を取り寄せるかの見極め
先ほどの例では46件の資料が、検索によりヒットしましたが、このうち論文に使える資料というのはどのくらいあるのでしょうか?
オンラインのため、実際に雑誌や書籍を手に取って確認することができないため、不安に思われる方も多いと思います。
ですので、ここでは、選んではいけないものを、まずお話ししようと思います。
① 実務解説系の記事
これは、研究内容によって異なるとは思いますが、まず初めに省かなければいけないのは、実務解説雑誌系の記事になります。
これは、修士論文という内容の性格上、引用するのは難しいためです。
例えば、消費税の熊王先生の解説、実務上では大変役に立ち、ありがたいのですが、修士論文の引用として使うには、実務解説系の記事では難しいのです。
ただ、実務家一般の見解というような切り口で、紹介することは出来なくはないと思います。
ちなみに熊王先生は大学院で教鞭をとられており、学術論文も発表されているので、著者(誰が書いたか)が判断基準ではありません。
実務解説系かどうかは、実務家の方であれば、雑誌名やタイトル等でおおよそのカンは働くと思います。
② 官公庁発表の資料等
こちらは必ず論文に使うことできない、というわけではないのですが、修士論文の序盤の資料集めの段階で取り寄せても、使うことは難しいと思います。
こういうデータ系のものは、誰かの学者先生が論文で使用してる場合で、自分の論文の趣旨にも関係してくる場合には取り寄せるという位で、ちょうど良いと思います。
③ 税務大学校論叢、各大学の紀要に収録されている論文
税務大学校論叢は、修士論文を作成する上で、非常に重要になる文献です。
なぜならば、税大論叢は、税務大学校(税務署職員の研修機関)の先生が書いた論文で、そのテーマの主要な論文・論点をしっかりフォローしてくれているものになりますので、修士論文を作成するにあたっては、この税大論叢を探すところからスタートしても良いくらいです。
取り寄せてはいけない理由は単純で、国税庁のホームページで無料で全文をPDFでダウンロードできるので、もったいないから、というだけの話しです。
また、大学教授・准教授の論文が、大学の紀要に収録されている場合は、論文として参考になる可能性が高い論文です。
まず、その論文のタイトルを検索して、その大学のHP等で無料公開していないかどうかを確認した方が良いと思います。
けっこう良い確率で、こちらも無料で全文をPDFでダウンロードできるので、探してみることをおススメいたします。
このように取り寄せずとも、ネット上で無料公開されている文献もありますので、有効に活用していただければ幸いです。
以上の点に注意して、選んではいけないものを外していただくと、残る文献はそんなに多くないはずです。
オンラインですので、実際に手に取って確認できない点で、どの論文を取り寄せれば良いのか?というボール・ストライクの選球の難しさもありますが、研究が進めば進むほど、色々な論文を読めば読むほど、この選球眼は磨かれてきますので、最初はとまどうと思いますが、うまく利用していただけたら幸いです。
次回は、文献の探し方について、国会図書館以外の方法についても、お話しさせていただこうと思います。
本日も、ご覧いただき、ありがとうございました!
【昨日のできごと】
昼前に10キロラン。
最近は涼しくて、非常に快適です。
あぐらがかけないほど、ひざの調子が悪いのですが、
なぜか走る分には、まったく痛くないのが不思議です。
午後からは、ブログ執筆。
スクリーンショットも使えない自分にビックリでした。